どこ出身?!ブルーベリーの原産地は北アメリカ|野生の姿から栽培を考える

北アメリカの画像

私たちが普段食べているブルーベリー。

では、いったいどこから来た植物なのでしょうか?

実は、現在栽培されているブルーベリーのもととなった植物は、北アメリカを原産とするものが中心です。

「ブルーベリー」と一言でいっても、ハイブッシュ系やラビットアイ系など、もとになった植物にはそれぞれ違いがあります。

今回は、ブルーベリーの「故郷」に思いをはせながら、その原産地の環境から、ブルーベリーという植物の特徴を考えてみたいと思います。

目次

ブルーベリーの故郷は、広大な北アメリカ

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ブルーベリーの原種となる植物は、北アメリカの広い地域に自生しています。

北アメリカといっても、その範囲はとても広く、カナダに近い北部から、アメリカ南東部のフロリダ周辺まで、多様な環境にブルーベリーの仲間が分布しています。

例えば、ハイブッシュブルーベリーの代表的な野生種である Vaccinium corymbosum は、北アメリカ東部を中心に広く分布しています。湿地や沼沢地、湖や池、河川沿い、開けた森林など、さまざまな場所で見られます。

そして、ブルーベリーは、現地の先住民であるネイティブ・アメリカンにとっても、古くから利用されてきた食べ物でした。

生のまま食べるだけでなく、乾燥させたり、料理に利用したりするなど、生活の中で大切に利用されていたことが知られています。

つまりブルーベリーは、近年になって突然つくられた「果物」ではありません。

北アメリカの自然の中で、長い時間をかけて生きてきた植物なのです。

ハイブッシュとラビットアイ、それぞれの故郷

現在、栽培されているブルーベリーには、さまざまな系統があります。

その中でも、私たちの農園で多く栽培しているのがラビットアイ系です。

ハイブッシュ系とラビットアイ系では、もともと暮らしていた地域や環境にも違いがあります。

ハイブッシュ系の代表種である Vaccinium corymbosum は、北アメリカ東部の開けた森林などに自生しています。森林の中でも、比較的明るい環境に見られることがあります。

一方、ラビットアイ系のもととなった Vaccinium virgatum(旧名 V. ashei)は、アメリカ南東部を中心とする温暖な地域が故郷です。

森林や砂質地、湿地、氾濫原周辺など、さまざまな環境に適応してきた植物です。特に、暑さや乾燥に比較的強いことも、ラビットアイ系の大きな特徴として知られています。

こうして見てみると、

「ブルーベリー」といっても、もともと暮らしていた場所によって、それぞれ個性がある。

ということが分かります。

やせた土地でも生きてきた植物

ブルーベリー農園の画像

ブルーベリーの原産地を調べていて、私が特に興味深いと思うのが、土壌との関係です。

ブルーベリーの仲間は、一般的な野菜や果樹とは少し違い、酸性で、養分がそれほど豊富ではない土壌にも適応してきた植物です。

そして、ここで重要になってくるのが菌根菌などの共生菌です。

ブルーベリーを含むツツジ科植物は、根の周囲に菌根菌と共生することが知られています。

特にブルーベリーのような植物と関係の深い「アーブスキュラー菌根菌」ではなく、**ツツジ科特有の「エリコイド菌根菌」**との共生が重要です。

この共生によって、植物だけでは利用しにくい養分などを菌が利用しやすくし、植物の養分吸収を助けていると考えられています。酸性で養分の少ない土壌に適応するうえで、このような共生関係は重要な役割を果たしています。

つまり、ブルーベリーは、

「肥料をたくさん与えて育つ植物」というより、少ない養分を上手に利用しながら生きてきた植物

と考えることもできます。

もちろん、栽培するブルーベリーには適切な土壌条件や水分、養分管理が必要です。

しかし、原産地でどのような環境に生きていたのかを知ると、

「なぜブルーベリーは、ほかの果樹とは少し違った土壌を好むのだろう?」

という疑問も、少し見えてくるような気がします。

「原産地」を知ると、植物のことが少し分かる

現在のブルーベリーは、原種そのものではありません。

長い年月をかけて選抜や交配が行われ、現在では非常に多くの品種が生まれています。

また、日本と北アメリカでは、気候も土壌も大きく異なります。

そのため、

「原産地と同じように育てればいい」

という単純な話ではありません。

むしろ大切なのは、

「この植物は、もともとどんな場所で生きてきたのだろう?」

と考えてみることではないでしょうか。

原産地に思いをはせながら育てる

植物を育てていると、ついつい、

「肥料は何を入れればいい?」

「水はどれくらい必要?」

「剪定はどうすればいい?」

と、栽培技術のことを考えます。

もちろん、それらはとても大切です。

でも、その前に、

「そもそも、この植物は自然界ではどんな場所に生えていたのだろう?」

と考えてみる。

そうすると、植物の見え方が少し変わってきます。

ブルーベリーは北アメリカの広大な自然の中で、長い時間をかけて、その土地の環境に適応してきました。

酸性の土壌。

決して養分が豊富とはいえない場所。

森林や湿地、河川周辺など、それぞれの種類が暮らしてきた環境。

そして、土の中の菌との共生。

そうした長い歴史の先に、現在のブルーベリーがあります。

現在の品種は、もちろん原種とは大きく異なります。

それでも、原種が持っていた性質の名残は、現在の栽培品種にも残っているのではないか。

私は、そんなことを考えながらブルーベリーを育てています。

いつか、ブルーベリーの故郷へ

ブルーベリーを栽培していると、一度は行ってみたくなる場所があります。

それは、ブルーベリーの原産地です。

実際に野生のブルーベリーが生えている場所に立ち、

「こんなところで生きてきた植物なのか」

と、自分の目で見てみたいと思っています。

日本で品種改良された苗木を植え、日々の栽培技術を考えるだけでは分からないことも、きっとあるでしょう。

いつか、北アメリカのブルーベリーの故郷を訪れてみたいと思っています。

そして、その場所で野生のブルーベリーを見たとき、

今育てているブルーベリーが、少し違って見えるかもしれません。

植物の「出身地」を知ること。

それは、単なる雑学ではなく、その植物の特徴を理解するための一つの入り口なのだと思います。

ブルーベリーの森あづみのでも、そんな「植物の背景」を大切にしながら、これからもブルーベリーを育てていきたいと思います。

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