「有機」農業の本当の意味とは?

長野県安曇野にあるオーガニックブルーベリー農園「ブルベリーの森あづみの」

シーズン中はオーガニックブルベリー(有機JAS認証)の生産販売やブルーベリー狩りなどを開催しています。

皆さんは「有機」農業というと、どのようなイメージを持ちますか?

日本には、有機農産物の規格(有機JAS)が定められておりますが、一義的には、有機JAS認証を取得した農産物や農業を指す場合もあります。

しかし、さらに深堀して、有機農業の語源や本当の意味に迫ってみたいと思います。

目次

日本語にはもともとなかった「有機」農業という言葉

もともと日本には「有機農業」を指す言葉は存在していなかったそうです。

明治時代に英語の「オーガニック(organic)」の訳として「有機」という言葉が充てられました。

もしかすると、それまでの農業では、当たり前に有機農業のようなことが行われていたため、そのような表現をする必要はなかったのかもしれません。

日本の「有機」、英語の「オーガニック」、欧州圏の「ビオ」は基本的に同じ意味です。

「有機」の語源

「有機」の語源は、諸説あります。

その一つが「天地有機(てんちゆうき)」という言葉です。

天地とは、宇宙・世界を指すものであり、自然界とも言えるかもしれません。

機とは、仕組み、法則等を指します。

「天地に機有り」

つまり、自然界には法則が有るという意味です。

有機農業とは自然界の法則に寄り添った農業ということになります。

現代では、有機肥料を使っている農業がイメージされる場合もあるのかもしれません。

有機肥料を使う農業も、有機の目的を達成する手段として考えられているのであれば、有機農業の一つですが、

それは一つの手段にすぎないとも言えます。

目的という意味えは、本来は、現在でいうところの「自然農法」等とほぼ同義ではないかと考えられます。

この本来の意味は、有機JASの規格の考え方にも色濃く残っているように思います。

4 有機農産物の生産の原則
有機農産物は,次のいずれかに従い生産する。
a) 農業の自然循環機能の維持増進を図るため,化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として,土壌の性質に由来する農地の生産力(きのこ類の生産にあっては農林産物に由来する生産力,スプラウト類の生産にあっては種子に由来する生産力を含む。)を発揮させるとともに,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。
b) 採取場において,採取場の生態系の維持に支障を生じない方法によって採取すること。

日本農林規格JAS1605
JAPANESE AGRICULTURAL STANDARD

欧州圏の「ビオ(Bio 生命、生物学)」といった言葉からも、含まれている意味が読み取れます。

有機農業をやっています

私は農法の説明をするときには、ざっくりとした方針として「有機農業」をやっています。

と説明しています。

私は、自然を観察し、なるべく、それに寄り添った、続けていけるやり方を模索することを大切にしており

それは、「有機」の目指す姿そのものだからです。

「有機」の目指すところは、化学肥料を有機肥料に代替えすることでもなく、有機JAS認証をとることでもなく、自然の法則になるべく沿えるように、持続可能な農業を模索していくことだと、私は考えています。

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