ブルベリーの「狂い咲き」~越冬前に花が咲く現象~

長野県安曇野にあるオーガニックブルーベリー農園「ブルベリーの森あづみの」

信州もすっかりと冬となってきました。

この時期の作業がブルベリーの剪定ですが、剪定作業中にブルベリーの「狂い咲き」をみかけました。

目次

「狂い咲き」とは?

ブルベリー狂い咲き

「狂い咲き」とは、本来の花期以外に季節に、何らかの不具合により咲いてしまう現象です。

花が本来の時期に咲かないということは、基本的にデメリットしかありません、

植物にとっては、昆虫などが活動していない時期に咲いて、交配が正常に行われなかったり・・・

人間や動物にとっては、果実などが得られないといったことになります。

ブルベリーの場合でも、越冬前に花が咲いても、実にならなかったり、実ができても美味しくはならないようです。

「狂い咲き」の原因

狂い咲きの原因は植物ホルモンの代謝異常

狂い咲の原因は、花芽を休眠させている植物ホルモンの代謝異常です。

花芽には、葉でつくられた「アブシジン酸(ABA)」という植物ホルモンが蓄積され、開花を抑えています。

本来であれば、寒さで徐々に濃度が下がり、春先に「休眠打破」状態になり、開花します。

しかし何らかの要因で、アブシジン酸がうまく機能しないと、「狂い咲き」が発生するようです。

例えば、台風などの異常気象で、葉が急激に失われた場合は、アブシジン酸がうまく代謝されず発生します、

それ以外の要因として、冬期の直前まで温暖であったり(最近は多いかも)、肥料が効きすぎているなども、狂い咲きの原因となるようです。

「狂い咲き」の対処法

狂い咲きの芽は速やかに除去

狂い咲きが発生した場合の対処としては、開花による樹の負担を減らすために速やかに花芽を除去します。

今回は、剪定で除去するような弱い枝にしかついていなかったので、枝ごと除去しました。

うちの場合は、植え付け時以外は、基本的に肥料を施していないので、肥料が原因ではなく、気候が主な原因と考えられます。

しかし、肥料などが原因と考えられる場合は、今後、秋の礼肥の量を減らすなどの調整も大切です。

品種によってことなる狂い咲き

比較的狂い咲きが発生しやすい「クライマックス」

「狂い咲き」は品種によっても、発生頻度が異なるようです。

うちの農園で狂い咲きがをみたことがあるのが「クライマックス」と「メンデイト(メデット)」です。

メンデイトは1回だけ夏に咲いて、咲いていることをブルベリー狩りのお客様に教えてもらったことがありました。

しかし、それ以外は、毎年クライマックスだけ狂い咲きが見られます。

もしかしたらクライマックスには、もともと、四季成りに近い性質があるのかもしれません。

念のため、ブルベリー農園全体をみてみましたが、今年「狂い咲き」が発生したのは、クライマックスの1株だけでした、

毎年、こんな感じで、一部の品種にちょっとだけ「狂い咲き」という感じです。

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