長野県安曇野のオーガニックブルーベリー農園「ブルーベリーの森あづみの」
農園の名前のとおり「森」のような生命の営みが豊富な、場所を目指しております。
ブルベリーなどの「果樹」は「森」では、どのような位置にいる植物なのでしょうか?
今回は、果樹と森林の関係について紹介します。
森へ収束していく自然植生

日本のような温帯林の環境ですと、自然植生は基本的に「森林」へ移行していきます。
畑なども、そのままにしておけば、草が生えて、木本の植物が生えて、森になっていきます。
家や道路、畑などの人工物は、そうならないように、エネルギーをかけて、その流れをとめながら維持しています。
植生が最終形(日本の場合は森林)へ移行していく流れを「植生遷移(しょくせいせんい)」と呼びます。
果樹は陽樹・低木林の植物

前述の植生遷移の中では、栽培果樹の多くは、「陽樹林・低木林」の植物になります。
高木性陽樹の特徴
高木性陽樹は日当たりがよい場所に生えてくる木本類です。

高木性の陽樹は、日当たりがよければ、比較的速いスピードで成長する植物です。

そのかわり、日陰では、子孫を残すのは難しいので、最終的に陰樹林に置き換わっていきます。
高木性果樹の成長の特徴と栽培

リンゴなどの高木性の果樹は、高木性の陽樹の特徴があり、樹勢が強く、成長が速いものが多いです。
しかし、果樹栽培の目的は、果実を収穫することです。
ある程度、樹勢を落ち着かせて、結実を促す管理が必要となります。
果樹栽培の多くは、樹勢が旺盛な樹木を抑えて、結実とのバランスをとっています。
ブルベリーは低木のグループ

ブルベリーの場合は、高木性陽樹と同じステージに現れる「低木」のグループとなります。
陽樹の部類ではありますが、高木性の陽樹などの木漏れ日の中で、コツコツ生育する特徴があります。

ブルベリーの栽培管理の特徴

ブルベリーは低木のグループであり、成長は速いわけではなく、特に初期成長は、比較的遅い印象です。
整枝剪定などは、樹勢が強くなる形に、具体的には、強い枝を立て気味に誘導するような管理が大切となります。

高木性の果樹のように、樹勢を落ち着かせなくても、自然と結実とのバランスもとれていきます。
この点が、他の果樹と管理方法が決定的に違う点ではないかと思います。
また、ブルベリーが病害虫にも比較的強いのは、このような特徴が一つの要因なのかもしれません。
