長野県安曇野のオーガニックブルーベリー農園「ブルーベリーの森あづみの」です。
ブルーベリーの剪定では、多くの栽培者から、よく耳にする言葉があります。
「迷ったら切れ」
一見すると、少し乱暴で、
大切に育ててきた木に対して冷たく感じる言葉かもしれません。
特に、毎年たくさんの実をつけてくれた枝や、
長年支えてくれた太い枝を前にすると、
ハサミを入れる手が止まってしまうことも多々あります。
それでも、この言葉が剪定の現場で繰り返し語られるのには、
ちゃんとした理由があるように思います。
剪定で「迷う枝」は、樹の中でどういう存在か

剪定のときに迷ってしまう枝には、
いくつか共通した特徴があります。
- 他の枝と重なり合っている
- 内側に向かって伸びている
- 以前に実をつけ、役目を終えかけている
- 勢いはあるが、実の質につながりにくい位置にある
こうした枝は、
「残しても悪くはないけれど、はっきり良いとも言い切れない」
という立ち位置にあります。
実はこの“中途半端さ”こそが、
ブルーベリーの樹全体にとっては一番の負担になります。
ブルーベリーは「切られることで」整う樹

ブルーベリーは、剪定によって樹勢が多少強くなったとしても、
それがすぐに結実の大きなマイナスになる樹ではありません。
むしろ、
- 光が入りやすくなる
- 風通しが良くなる
- 新しい健全な枝が出やすくなる
といったプラスの変化が起こりやすい果樹です。
そのため、
「残すか、切るか」で迷う枝は、
思い切って切ったほうが、結果的に樹全体が整う
という場面が多くなります。

これが、多くの栽培者に
「迷ったら切れ」
と言われる大きな理由のひとつです。
それでも、私たちは“考えながら”切りたい

とはいえ、
「迷ったら切れ」を
何も考えずに実行したいわけではありません。
その枝は、
- どんな役割を果たしてきたのか
- なぜ今、迷っているのか
- 残した場合、どんな姿になるのか
そうしたことを一度考えた上で、
「理由があるから切らせてもらう」
という気持ちで向き合いたいのです。
立止まり、枝の流れや芽の位置を見てから切る。
それは作業というより、
ブルーベリーとの向き合う時間だと感じています。

剪定は、枝を減らすことが目的ではありません。
- この樹が、これからどう育っていくか
- どんな実をつけてくれるか
- どんな姿で夏を迎えるか
その未来を想像しながら、
今、不要なものを手放す作業です。
だからこそ、
迷った枝に対しては、
「今までありがとう」
「でも、ここで役目を終えてもらおう」
そんな気持ちで一杯です。
これからも、
一本一本の樹と向き合いながら、
理由のある剪定を続けていきたいと思います。


