長野県安曇野にあるオーガニックブルーベリー農園「ブルベリーの森あづみの」
オーガニックブルベリー(有機JAS認証)の生産と販売、摘み取り体験(ブルーベリー狩り)などを運営しています。
現在は、剪定等の冬作業をすすめつつ、様々な角度からブルベリーなどについて情報発信をしています。
今回は、ブルベリーの「増やし方」について紹介します。
ブルベリーの品種は100種類を超える

ブルーベリーは栽培品種だけでも100品種は超えていると言われています。
品種名を表示してブルーベリーを販売している方も個人ではたまにいらっしゃいますが
スーパーなどで流通しているブルーベリーは、品種が表示されていることは少なく、日常的に目にすることは少ないと思います。
ブルーベリーの品種による、栽培管理の違いや、果実の味の違いは、かなりありますが、他の果物に比べると、あまり目立たないのが現状です。
ブルーベリーを「挿木」で増やす方法

ブルーベリーを増やすのに、最も一般的な方法は「挿木」です。
挿木の中でも、ポピュラーなのが「休眠枝挿し」と呼ばれる方法で、ブルーベリーが休眠している冬期に、一年生の新しい枝を採取して、春に挿木します。

初夏の頃に伸びてきた枝を挿す方法(緑枝挿し)もありますが、こまめな水分管理が必要で、難易度が上がります。
ポット栽培などで灌水装置などがある場合に向いています。

およそ2~3年ほど育ててから植えつけます。
ブルーベリーを「取木」で増やす方法

ブルーベリーから発生する「ひこばえ(サッカー)」を利用する方法が「取木」です。
春先に、根と一緒に「ひこばえ」を掘り出して用土などに植え付けます。

根がすでにある状態のせいか、挿木よりやや成長が速く、秋頃にはそれなりのサイズの苗になります。

「取木」はひこばえが多いラビットアイ系品種などが適しています。
ブルーベリーは種まきでも増やせます

「挿木」と「取木」は、植物の体の一部から別個体を増やす、いわゆる「クローン個体」なので、遺伝子情報は全く同じです。
つまり品種も「穂木」や「ひこばえ」の元の品種と同じものになります。
私はやったことがないのですが、種まきしてもブルーベリーを増やすことができるそうです。
その場合は、実から採種した種は、交配しているため、親とは別の遺伝子情報をもっており、別の「品種」ということになります。
ブルーベリーを増やす場合に注意すること

ブルーベリーを増やす際に注意したいのが、権利関係です。
PVP品種(アメリカの品種登録、原則的に日本国内の登録品種になっている)は、挿木等の増殖を禁止しています。
また、商標登録されている品種(ラヒなど)は、承諾を得ないと名称を用いて苗などを販売することはできません。
これらの品種を扱う場合は、注意しましょう。

