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    ブルーベリーの画像

    ブルーベリー「ど根性栽培」

    今回は、「ブルーベリーの森あづみの」で採用している、栽培方法「ど根性栽培」について、紹介したいと思います。

     「ど根性栽培」は、千葉県木更津市の「エザワフルーツランド」の江澤貞雄氏が提唱する、栽培方法です。

    ブルーベリーをつくりこなす: 高糖度,大粒多収

    ブルーベリーをつくりこなす: 高糖度,大粒多収

    以前、お話を伺いに千葉県まで行き、農園も見学させて頂きました。

    江澤貞夫氏は、ブルーベリーのこれまでの常識と考えられていた栽培方法を見直して、植物本来の能力を最大限に発揮し、根をしっかりと張らせる「ど根性栽培」と称した、独自の栽培方法を提唱しています。

    (従来のブルーベリー栽培の定説)

    • 植え床にピートモス※1を多量に使用し土壌酸度(PH)の調整と排水性を対策する
    • 頻繁な潅水(特に夏場)
    • ノーザンハイブッシュ系品種中心の栽培
    • 化学肥料で苗木の成長を促進

    (ど根性栽培)

    • 植え床にピートモスを使用しない※2
    • 基本的に潅水をしない。※3
    • ラビット・アイ系品種の積極的利用
    • 肥料は少量の油粕のみ、剪苗木は定で成長を促す。

    ※ミズゴケ類などの植物が堆積し、腐植化した泥炭を脱水、粉砕したもの。土壌改良材として用いられる。

     ※2ノーザンハイブッシュでは少量使用する。

    ※3株元の乾燥対策は、木材チップなどの有機物でマルチングすることを徹底し、乾燥を防止する。

    ど根性栽培はブルーベリー協会のホームページでも紹介されています。

     ど根性栽培の実際

    草などを除去し植穴を掘る

    ブルーベリーの植え付けの画像1

    植える箇所周辺の草を除去します。

    この場所はオーチャードグラスという多年生の牧草が生えており、厚さ1~2cmくらいの根の層が面的に張っていました。

    乾燥防止にもなりそうですが、苗周辺だけは表面の根などを除去しました。

    草刈りはしましたが、トラクターなどによる耕起はしていません。

    ブルーベリーの植え付けの画像3

    植穴を掘ります。

    従来の農法のようにピートモスなどを入れて植床を作らないので、12cmポットの大きさだけ、林業用の鍬で掘ります。

    穴の中の根なども取り除きます。

    植える

    ブルーベリーの植え付けの画像4
    ブルーベリーの植え付けの画像5

    植えつけて、しっかりと鎮圧します。

    硫黄粉を散布

    硫黄の粉の画像

    硫黄粉、水分を含むと硫酸になるので、汗をかいた肌などに触れると、炎症をおこしたりします。

    少量ですが、風向きなどには注意して散布しました。

    硫黄粉はホームセンターなどではあまり売っていませんが、日本ブルーベリー協会から購入することができます。

    (製品名:土壌改革)

    硫黄粉散布の画像

    PH調整とイノシシよけのための硫黄粉を散布します。

    1株あたり、お椀半分(約100g)程度です。

    この場所は、PHが6.0を少し切るくらいだったので、Ph4.5前後になるよう想定し、施用しました。

    ラビットアイ系の品種の場合、Ph4.3~5.3程度と言われていますが、実際には5.5~6.0くらいでも問題なく育つようです。

    なお、ど根性栽培ですと通常はこの後、油粕お椀1杯を散布しますが、

    江澤氏から助言を頂き、今回は、植える時期が少し遅いことを考慮し、油粕の散布を行わないこととしました。

    木材チップの敷設 

    木材チップの画像

    乾燥を防止する有機マルチとするため、ペール缶4杯分(20L×4=80L)の木材チップを敷設します。

    木材チップ敷設の画像1

    平坦に均すと、ほぼ10cm程度の厚さになります。

    木材チップ敷設の画像2

    刈り取った牧草が結構あったので、さらに草マルチにして足しました。

    (これは私のオリジナル)

    この作業を繰り返します。

    植える作業よりもチップをペール缶につめて運搬する作業に時間がかかります。

    耕さないし、土壌改良や施肥などもほとんどしない。

    道具も基本、クワしか使わないので、

    林業の自拵え(植栽のための草木の除去や整地)→植栽

    みたいな感じがしました。

    (私は元、林業の技術屋です。)

    最初の植え付けは、2019年の梅雨入り前の暑い時期に植えました。

    真夏日に迫る気温になる日もありましたが、苗たちは暑さに耐えて元気です。

    ブルーベリーさん、本当にありがとうございます。